毎週水曜日に行う「聖書研究・祈祷会」では、牧師が選んだ聖書箇所を読んで解説したり、いろいろな感想を語り合っています。
2週間前から新しく本を読み始めました。越川弘英他著『洗礼を受けるあなたにーキリスト教について知ってほしいこと』日本キリスト教出版局,2020年です。
この本ではキリスト教信仰の始まりのしるしとして行われる「洗礼」という儀式を中心に、いろいろな牧師がそのことについて書いています。
聖書研究・祈祷会に通っているメンバーは様々です。桂教会に長くいる方、桂教会には属してはないけれどもキリスト教を信仰している方、最近教会に来られるようになった方、飛び入りの方…そういう中でもう一度原点に戻って、洗礼について考え、信仰について考えてみようとなったのです。
この本の中で越川弘英さんは、キリスト教を含むどの宗教も「ご利益」があると書かれていました。キリスト教のご利益とは何か、愛と恵みの神がこの世界と人間を途方もなく大切にし恵みを与えてくださること(熊谷要約)だと書かれていました。私はそのご利益が存在すると思って生きることがキリスト教を信じることだと思っています。
信仰というと「信じて疑わないこと」と思う方も多いですが、聖書には信じて疑わない人間などいないと書かれています。みんな神に疑いを持ち信じきれずにいるのです。私もいつもいつも神を心から信じているわけではありません。この世界のあまりにも理不尽で残酷な事柄を前にすると「一体この世界に神がいるの?」と思わずにはいられませんし、筋の通ったきれいな言葉で神を説明することも擁護することもできません。
ただ私は生きていくことも大変で、理不尽も苦難もある世界だからこそ「神がいてもらわないと困る。神がいて助けてくれる世界でないと困る」と思っています。全く格好の良い信仰姿勢ではないですね。けれども、私はそう思うことによって見えない神に支えられて、何とか生きています。
信じる姿勢は教会の中でも様々です。様々な信仰を持つ人たちが一緒に集まって礼拝をし、お互いのことを知り、時に助け合い、時に意見の対立もある…けれども神様はいてくれるよねというところでは一致する、それが教会というところです。
キリスト教信仰歴何十年という人から、初めて教会に来ましたという人までがいるのが桂教会です。教会に来ることはとても勇気のいることだと思います。勇気を持って一歩を踏み出してくださった方を桂教会は心から歓迎いたします。(文責:熊谷)